返済負担率が上限を超えたときの 5 つの調整方法。効果の大きい順に整理
希望の物件価格で計算すると返済負担率が上限を超えてしまう。相談でよくある状況です。ここで諦める必要はなく、調整できる要素は 5 つあります。この記事では、それぞれの効果の大きさと注意点を、年収 400 万円・上限 35%(月額 約 11.7 万円)の例で整理します。
- 一般的な考え方の整理です。金融機関ごとの基準は公開されておらず、実際の判断は金融機関が行います。
- 計算例は、計算用の金利 年 3%、返済期間 35 年(100 万円あたり月 約 3,850 円)を仮定した目安です。
調整 1: 既存のお借入れの毎月の返済額を下げる
効果: 大きい。毎月の返済額 1 万円につき、借入額の目安が約 260 万円動きます。
方法: 使っていないカードローンの解約、リボ払い・分割払いの整理、手元資金での一部完済、そして住宅の取得と合わせて既存のお借入れの返済資金を検討できる商品の利用です。
注意点: 手元資金で完済すると頭金が減ります。まとめて検討する商品は上限と対象の制限があり、総支払額が増える可能性があります。詳しくは 使っていないカードローンの整理、リボ払い・分割払いの整理、商品の型と条件の見方 をご覧ください。
調整 2: 返済期間を延ばす
効果: 中程度。同じ借入額でも、期間が長いほど毎月の返済額が下がるため、返済負担率が下がります。たとえば 3,000 万円を年 3% で借りる場合、25 年なら月 約 14.2 万円、35 年なら月 約 11.5 万円です。
注意点: 期間を延ばすほど総支払額は増えます。上の例では 25 年で約 4,270 万円、35 年で約 4,850 万円と、580 万円ほどの差になります。また、完済時の年齢に上限(80 歳前後が多い)があるため、年齢によっては延ばせる期間が限られます。
調整 3: 物件価格を見直す
効果: 大きい。借入額そのものを下げる、最も直接的な方法です。物件価格を 300 万円下げれば、借入額の目安も同じだけ下がります。
注意点: エリア・広さ・築年数のどれを譲るかという判断になります。「上限いっぱいの物件」より「余裕のある物件」のほうが、購入後の家計が安定するのは確かです。物件価格の決め方は、借入可能額ではなく返せる額から逆算するのが基本です。
調整 4: 頭金を増やす
効果: 中程度。頭金 100 万円につき借入額が 100 万円減り、毎月の返済額が約 3,850 円下がります。
注意点: 頭金に回すと手元資金が減ります。引越し費用、家具・家電、購入後の予備費を残したうえで、いくら頭金に回せるかを決めます。既存のお借入れの整理と頭金のどちらに手元資金を使うかは、金利の高いほうから、が原則です。
調整 5: 収入の見方を変える
効果: 状況による。ご夫婦の収入を合わせて見る方法(収入合算・2 本に分ける方法)が使えれば、年収の基準そのものが上がります。
注意点: 収入を加える側のお借入れも同時に計算に入ります。片方の収入が将来減る可能性も見込む必要があります。詳しくは ご夫婦の収入を合わせて考える方法 をご覧ください。
5 つの方法の比較
| 方法 | 効果 | 主な注意点 |
|---|---|---|
| 1. 既存のお借入れの整理 | 大 | 手元資金の減少、まとめる場合の上限と総支払額 |
| 2. 返済期間を延ばす | 中 | 総支払額の増加、完済時年齢の上限 |
| 3. 物件価格を見直す | 大 | 条件の優先順位を決める必要 |
| 4. 頭金を増やす | 中 | 手元資金の減少 |
| 5. 収入の見方を変える | 状況による | 相手のお借入れも計算に入る |
検討する順番
- まず既存のお借入れを一覧にして、整理できるものがないかを見る(調整 1)。
- 次に、返せる額から逆算して物件価格の上限を決める(調整 3)。
- そのうえで、返済期間・頭金・収入の見方で微調整する(調整 2・4・5)。
順番を逆にして、期間や収入合算で無理に上限に合わせると、購入後に家計が苦しくなりやすいです。返済負担率の考え方は 返済負担率の計算方法と年収別の目安、年収別の目安は 早見表 をご覧ください。



