COLUMN

40 代・50 代からの住宅ローン。返済期間と完済年齢、退職後の返済の考え方

途中で色が変わる帯を見上げる50代の夫婦の後ろ姿のイラスト

「この年齢から住宅ローンは遅いのでは」というご相談は、40 代後半から 50 代の方に多いです。年齢そのものが理由で検討できなくなるわけではありませんが、20 代・30 代とは考え方が変わる点があります。最も大きいのは返済期間です。この記事では、完済年齢と返済期間の関係、退職後の返済の考え方、既存のお借入れがある場合の整理の順番をまとめます。今週の親記事 転職直後・勤続年数が短いときの住宅ローンの考え方 の関連記事です。

この記事について
  • 計算例の数値は考え方を説明するための仮のものです。金利・条件は金融機関ごとに異なります。
  • 退職金・年金の額はご自身の勤務先・加入状況をご確認ください。

完済年齢の上限と返済期間

多くの金融機関は、完済時の年齢に上限を設けています。一般的には 80 歳未満(79 歳まで)が多く、金融機関によって 75 歳や 85 歳の例もあります。返済期間の上限(35 年が一般的)と、完済年齢の上限の両方を満たす必要があるため、年齢が上がると返済期間が短くなります。

お申込み時の年齢完済 79 歳までの最長返済期間3,000 万円・年 1.5% の毎月返済額(目安)
35 歳35 年(上限)約 9.2 万円
45 歳34 年 → 35 年上限内約 9.4 万円
50 歳29 年約 10.6 万円
55 歳24 年約 12.3 万円
60 歳19 年約 14.9 万円

同じ 3,000 万円でも、返済期間が短くなると毎月の返済額は大きく増えます。返済負担率の計算にも毎月の返済額が使われるため、返済期間が短いと同じ年収でも借入額の目安は下がります。計算の考え方は 返済負担率の計算方法 をご覧ください。

「返済期間」と「働く期間」を分けて考える

完済 79 歳で返済期間を組めても、収入が続くのは 60〜65 歳の退職までという方が多いです。返済期間の全体を、次の 2 つに分けて考えます。

  1. 退職までの期間: 給与収入で返済する。この期間の毎月の返済額が、いまの家計で無理のない額か。
  2. 退職後の期間: 年金と貯蓄、退職金で返済する。この期間の返済額が、退職後の収入で続けられるか。続けられないなら、退職時にどれだけ残高を減らしておく必要があるか。

たとえば 50 歳で 29 年の返済期間を組むと、65 歳の退職時に残高が半分以上残る計算になります。この残高を退職金で一括返済するのか、年金の範囲で返し続けるのか、退職までに繰り上げ返済で減らすのかを、お申込みの前に決めておくと安心です。

40 代・50 代で見られやすい点

  • 健康状態: 団体信用生命保険への加入が必要な商品が多く、健康状態によって加入できないことがあります。加入条件が緩やかな型や、加入が任意の商品もあります。
  • 勤務先の定年と再雇用: 定年後の再雇用で収入が下がる場合、その見込みが確認されることがあります。
  • 既存のお借入れ: この年代は、車のローン、教育ローン、カードローンなど複数のお借入れが重なりやすい時期です。返済負担率への影響が大きくなります。
  • 頭金の有無: 貯蓄がある方は、頭金を入れて借入額を抑えることで、短い返済期間でも毎月の返済額を調整できます。

既存のお借入れがある場合の整理の順番

返済期間が短い分、既存のお借入れの返済額が返済負担率に与える影響は、若い年代より大きくなります。整理の順番の考え方は次のとおりです。

  1. すべてのお借入れを一覧にし、残高・毎月の返済額・金利を書き出す。
  2. 金利の高いものから、手元資金で完済できるものがないかを見る(手元資金の使い方)。
  3. 完済できないものは、住宅の取得と合わせて既存のお借入れの返済資金を検討できる商品の対象になるかを確認する(商品の型と条件の見方)。
  4. お子さまの教育ローンは、卒業後に完済の見込みが立つなら、時期をずらして考える。

毎月の返済額を調整する方法

  • 頭金を増やす: 借入額を減らす。ただし退職後の予備費は残す。
  • 物件価格を見直す: 返せる額から逆算する(物件価格の決め方)。
  • 収入合算・親子で組む型: お子さまが働いている場合、親子で返済を引き継ぐ型の商品もあります。ご家族の合意が前提です。
  • 退職金の使い方を決める: 退職時に一括返済する計画なら、それまでの返済額を長い期間で組んで抑えることができます。

まとめ

  • 年齢が上がると完済年齢の上限で返済期間が短くなり、毎月の返済額が増える。
  • 返済期間を「退職まで」と「退職後」に分け、退職時の残高をどうするかを先に決める。
  • 健康状態、定年後の収入、既存のお借入れが見られやすい。
  • 既存のお借入れの整理と頭金の使い方で、毎月の返済額を調整する。

退職までの返済と退職後の残高を、ご自身の年齢と収入で一緒に試算します。

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