COLUMN
産休・育休中や時短勤務のときの住宅ローン。収入の扱いと相談の時期
お子さまが生まれるタイミングは、住まいを考え始めるきっかけになりやすい時期です。一方で、産休・育休中や時短勤務のときは収入が一時的に減っていて、「いま相談しても無理では」と思う方が多いです。この記事では、休業中や時短勤務のときの収入の見られ方と、相談の時期の考え方を整理します。今週の親記事 転職直後・勤続年数が短いときの住宅ローンの考え方 の関連記事です。
この記事について
- 一般的な考え方の整理です。金融機関ごとの基準は公開されておらず、実際の判断は金融機関が行います。
- 休業に関する制度の内容は勤務先や制度の改正によって変わります。
産休・育休中の収入はどう見られるか
産休・育休中は、給与の代わりに出産手当金や育児休業給付金を受け取ります。これらは公的な給付であり、金融機関の多くは「給与収入」とは別のものとして扱います。給付金をそのまま年収に数える金融機関は少ないです。
その代わり、金融機関によっては次のような扱いをします。
| 扱い | 内容 | 必要になりやすいもの |
|---|---|---|
| 休業前の年収で見る | 休業前の源泉徴収票の年収を基準にする | 休業前の源泉徴収票、復職予定を示す書類 |
| 復職後の見込み年収で見る | 勤務先が発行する復職後の見込み年収の証明を基準にする | 勤務先の証明書、雇用契約書 |
| 復職後に実績を見る | 復職して数か月〜1 年の給与実績が出てから検討する | 復職後の給与明細、翌年の源泉徴収票 |
| 休業中は対象外 | 休業が終わるまで検討しない金融機関もある | — |
ポイントは「復職の見込みがあるか」です。勤務先に復職予定であること、復職後の勤務形態と見込み年収を証明してもらえると、休業中でも検討できる金融機関が出てきます。
時短勤務のときの収入はどう見られるか
時短勤務で給与が減っている場合、原則として「いまの収入」で見られます。フルタイム時の年収ではなく、時短勤務の年収で返済負担率を計算する金融機関が多いです。
ただし、時短勤務が期限つき(お子さまが 3 歳まで、など)で、フルタイムに戻る予定が勤務先の書類で示せる場合、将来の収入を考慮する金融機関もあります。時短勤務が終わる時期と、そのあとの見込み年収を勤務先に確認しておくと、相談のときに役立ちます。
ご夫婦で組む場合の考え方
どちらかが休業中・時短勤務のときは、もう一方の収入を中心に考えるのが現実的です。考え方は 3 つあります。
- 働いている方の単独名義: 休業中の方の収入を計算に入れない。借入額の目安は下がるが、手続きが簡単で、休業中の方の復職の有無に左右されない。
- 収入合算(休業前または見込み年収): 休業中の方の休業前の年収や復職後の見込み年収を合算できる金融機関を選ぶ。借入額の目安は上がるが、金融機関が限られる。
- いまは単独名義で組み、復職後に見直す: まずは働いている方の収入で返せる範囲の物件を選ぶ。復職して収入が戻ったら、借り換えや繰り上げ返済を検討する。
ご夫婦の収入の合わせ方の全体像は ご夫婦の収入を合わせて考える方法 をご覧ください。
相談の時期の考え方
- 産休に入る前: 休業前の年収で見られるため、時期としては有利です。ただし、お申込みからご契約・お借入れの開始までの間に産休に入ると、状況が変わってやり直しになることがあります。スケジュールに余裕があるかを確認します。
- 育休中: 復職の見込みを示せるかで検討できる金融機関が変わります。物件を急いで決める必要がなければ、情報の整理と既存のお借入れの整理を進めておく時期と考えるのが現実的です。
- 復職後: 給与明細が数か月分そろうと、多くの金融機関で検討を始められます。時短勤務なら、いまの収入で返せる範囲から考えます。
休業中・時短勤務中に準備できること
- 勤務先に、復職予定・復職後の勤務形態・見込み年収を書面で出してもらえるか確認する
- ご夫婦それぞれの既存のお借入れを一覧にし、整理できるものがないか確認する(使っていないカードローンの整理)
- お子さまの教育費を含めた将来の家計を書き出し、無理なく返せる額を出しておく(返せる額から物件価格を逆算する手順)
- 復職後の保育料など、購入後の支出の変化を見込んでおく
まとめ
- 休業中の給付金は給与収入とは別に扱われる。復職の見込みを示せると検討できる金融機関が出てくる。
- 時短勤務は原則いまの収入で見られる。期限つきなら将来の収入を考慮する金融機関もある。
- ご夫婦なら、働いている方の収入を中心に、単独名義・収入合算・あとで見直しの 3 つから選ぶ。
- 急がないなら、休業中は情報とお借入れの整理に使う時期と考える。



